◆独り言◆

人生で一番痛かった失恋の話。

 
 
 去年ね、私

大好きな人がいたの。
ほんまに、大好きやった。

 

ちょうど今から一年前の話。

 

アプリで出会ったK君。

 

・20代後半
・会社経営
・年収3,000万
・完璧なビジュアル
・無駄がなく、程よいプロフィール

 

と、明らかに業者かネットワークにしか見えなかった。
そんな奴おるわけない。ありえへん。

 

でも、やりとりをすると
本当に丁寧で気持ちのこもったメッセージ。
毎日何度も電話がかかってきて、
しかもビデオ通話。

 

明らかにアプリの写真通り 本人やし、
話した感じもすごく楽しくて。

 

顔を見ながら話すし 余計に、
会ったことないとは思えないぐらいの親近感。
本当に不思議な感覚。

 

私はアプリで120人以上会ってきたし、
さすがに見る目も養われてて。

 

やりとりで大体、その人のことが分かるし
K君に関しては、かなり疑ってかかっていたけれど、それさえもすり抜けるぐらい、
気がついたら大好きになってた。

 

彼は、数分でも時間が出来たら
マメに電話をくれる。

 

参加してる結婚式での集合写真や
自分の会社が主催するイベントのフライヤーデータまで送ってくる。

 

会社名でググったけど、
ちゃんと実在するし。

 

でも…
明らかにプライバシー晒しすぎ。
男性とは言え、
会ったこともない人に対してこれは。
あまりにも無防備。

 

これで詐欺とか、ありえるんだろうか…?

 

彼はそもそも、関西在住ではなくて。
なので、次の出張の時に会おうと
それまで約2週間、やりとりを続けた。

 
 
 

やっと会える。
初めての待ち合わせは、胸が痛いぐらい
明らかにもう、私は恋をしてた。

 

ホテルのラウンジで待ち合わせて、
携帯の画面の中にしかいなかった彼が
現実に目の前に現れて、
なんとも言えない気持ちになった。

 

ネットで出逢った人のことを
会う前にこんなに好きになるなんて、
後にも先にも経験することはなかった。

 

とっても素敵な和食屋さんを予約してくれて
しっぽりと飲みながら、話して。

 

もう一軒、スイーツでもどう?と
タクシーでホテルのバーへ。
前から行ってみたいお店やったのに。
なんで分かるんやろう??

 

お酒と ケーキを頼んで、
ちょっとトイレ行ってくるね、って
私は席を立ったんやけど。

 

戻って来て、しばらくしたら
彼がソファーのクッションを膝の上に乗せて
それを見た私も、
同じことしよーって、クッションを持った。

 

その瞬間。

 

クッションの奥に、
オレンジ色の袋が見えた。

 

 

エルメス。

 

「あ!これ、前のお客さんの忘れ物!」
って慌てて言うと、

 

「ううん。プレゼントだよ。

 

え…?

 

その瞬間、
デザートが運ばれて来て。
ちょっと待って。
ちょっと待って。

 

私、パニック。

 

彼と出会う少し前、
私は39歳になったんやけど。
その誕生日当日は散々でさ。

 

そのことを彼にサラッと話したの、
覚えてくれてたんだ。
「遅くなっちゃったけど
お誕生日おめでとう。」

 

ロウソクの火の向こうで彼は、
優しく微笑んでる。

 

もうね、
報われるってこのことなんやなって。
胸がいっぱいで 涙が出た。

 

バーを出る時、
「今日はこのまま一緒にいられる?」
って聞かれて。

 

最上階のスイートが準備されてた。

 

嘘でしょ?
こんなこと、ある??

 

私、
夢を見てるのかな…?

 

2に続く。

 

 

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